作品データ
DMMブックスの一般ノベル(日本文学)。著者は梶井基次郎。価格572円、2021-07-28配信。大正末期に書かれた表題作をはじめ、若くして世を去った作家の短編を収めた一冊です。
どんな作品か
表題作「檸檬」は、得体の知れない憂鬱を抱えた青年が、京都の街をさまよい歩く姿を描いた短編です。果物屋で手に取った一個のレモンが、鬱屈した心にささやかな明るさをもたらしていきます。散文詩のように研ぎ澄まされた文章で、日本近代文学の名品として長く読み継がれてきました。
読みどころ
色彩や匂い、手ざわりまで伝わってくるような繊細な感覚描写が最大の魅力です。ストーリーの起伏よりも、主人公の心の揺らぎと、街の情景が重なり合う瞬間の美しさを味わう作品といえます。短い一編のなかに、青春期特有の不安と憧れが凝縮されています。
こんな人に
日本近代文学の名短編にふれたい方、言葉の手ざわりや情景描写をじっくり楽しみたい方におすすめです。