作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は吉本ばなな。1,650円・2023年6月26日配信。2023年に晶文社から刊行された書き下ろし長編です。
どんな作品か
主人公のつばさと、家族のように育った幼なじみのひばりをめぐる物語です。バーを営む両親に代わってつばさの家で夜を過ごしていたひばりは、やがてこの町からいなくなります。港のある町の風景を背景に、初恋と友情、信仰と自由、別れと回復といった主題が静かに重ねられていきます。
読みどころ
出来事を大きく動かすのではなく、食べること、眠ること、人と交わす短い言葉といった日々の手触りを積み上げていく筆致が持ち味です。何かを失った人が少しずつ日常に戻っていく過程が、断定を避けた語りで描かれます。読み終えたあとに静けさが残る一作です。
こんな人に
吉本ばななの静かな長編が好きな人、喪失と回復を扱った物語を求めている人に。