作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は辻堂ゆめ。価格792円、2022年2月22日配信。「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞したデビュー作を改題した一作。
どんな作品か
人気シンガーソングライターの上条梨乃は、ある朝、渋谷の路上で目を覚ます。前夜からの記憶がなく、素顔をさらしているのに誰からも自分だと気づかれない。やがて街には「上条梨乃が自殺した」というニュースが流れ、梨乃は自分の身に何が起きたのかを追い始める。存在を認識されなくなった主人公という特異な設定を軸に据えたミステリーだ。
読みどころ
「本当の自分とは何か」という問いを、ファンタジックな仕掛けと謎解きで描く構成が持ち味。散りばめられた要素が終盤に向けて回収されていく、辻堂ゆめらしい設計が光る。人間ドラマとサスペンスが融合した読み口も魅力だ。
こんな人に
先の読めない設定のミステリーや、伏線回収の鮮やかさを味わいたい人におすすめ。