作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: 幡野広志 / 価格: 1300円 / 配信日: 2018-08-24
どんな作品か
写真家の幡野広志によるエッセイで、著者自身ががんを患い自らの余命と向き合いながら、幼い息子との関係や親としてのあり方を綴った一冊である。自身の子ども時代に感じた寂しさや欲しかった言葉を振り返りながら、限られた時間の中でどのような親でありたいかを率直に考察している。取材や相談で出会った人々とのやり取りから得た気づきも織り交ぜながら書かれている。
読みどころ
病を抱える当事者だからこその率直さで、死や別れというテーマを湿っぽくなりすぎずに綴っている点が特徴である。写真家らしい観察眼を生かした具体的なエピソードの描写も読みどころであり、理想論に終わらせず、自分自身の弱さも含めて言葉にしている姿勢が本作全体を貫いている。飾らない語り口ゆえに、読み手それぞれの経験と重ね合わせやすい内容にもなっている。
こんな人に
子育てや親子関係について、教科書的でない実感のこもった言葉から考えたい人に向いている。命や時間の使い方について考えたい読者にも合う一冊である。