作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は吉田修一。880円・2022年6月30日配信。映画化もされた『横道世之介』に続く、シリーズの一作です。
どんな作品か
人懐こくて、どこか抜けていて、周りの人をいつのまにか和ませてしまう横道世之介。本作では大学時代を終えた二十代の世之介が、思うようにいかない日々を過ごしながら、恋人や友人、下宿先の人たちと関わっていく姿が描かれます。大きな事件が起こるわけではなく、暮らしの手触りを重ねていく作りです。
読みどころ
世之介という人物の得がたさが、周囲の人の反応を通してじわじわ伝わってくる書き方が魅力です。うまくいかない時期をうまくいかないまま書きながら、読んでいるほうが妙に励まされます。前作を読んでいなくても入っていけますが、続けて読むと世之介の変わらなさと変化の両方が味わえます。
こんな人に
穏やかで可笑しみのある青春小説を読みたい人、『横道世之介』のその後が気になっている人に。