作品データ
DMMブックスの小説(童話・児童文学)。著者は寺地はるな。価格726円、2020年12月23日配信。単行本は中央公論新社から刊行され、のちに中公文庫に収められた家族小説。
どんな作品か
羽根木家の長男・山吹を語り手に、一つの家族が抱える「嘘」とそのほころびを、約30年の時間をかけて静かに描く長編。幼くして弟を亡くした母は現実と折り合えず、父や祖父母もそれぞれの生き方で家族の輪郭をゆがめていく。
読みどころ
「役に立たない」と言われて育った山吹が、家族をつなぎとめるために嘘を重ねていく過程が丁寧に綴られる。悲しみと可笑しみが同居する筆致で、欠けたところのある人々が寄り添う姿を見つめる。実写映画化もされた。
こんな人に
家族の機微を描く物語や、寺地はるなの静かな人間ドラマが好きな人に。