作品データ
DMMブックスの小説(一般ノベル/日本文学)。著者は小川洋子。価格726円、2016年12月15日配信。
どんな作品か
『博士の愛した数式』などで知られる小川洋子による連作長編です。遠い国で人質となった人々が、それぞれの人生のひとこまを短い物語として語り合う——。事件そのものではなく、そこで静かに紡がれる一人ひとりの記憶に光をあてた作品です。
読みどころ
語られるのは、劇的な出来事ではなく、ささやかで忘れがたい日常の断片ばかり。その一つひとつが、小川洋子ならではの澄んだ文章で丁寧にすくい上げられ、読むほどに胸に沁みてきます。緊迫した状況のなかにありながら、人が生きた時間の尊さがそっと浮かび上がる構成が見事です。
こんな人に
静謐で余韻の残る物語を味わいたい人、小川洋子の文章世界が好きな人におすすめです。