作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 向田邦子- 価格: 850円- 配信日: 2025-01-30
どんな作品か
脚本家・作家の向田邦子の代表作のひとつである。物語は、年老いた父にどうやら愛人がいるらしいと知った四姉妹が集まるところから動き出す。長女から四女まで、それぞれに結婚や恋愛の事情を抱えた姉妹たちの日常が、父の秘密をきっかけに静かに揺らいでいく。穏やかに見える家族の内側に潜む嫉妬や見栄、言えない本音を、ユーモアを交えつつ容赦なく描き出す家族劇だ。
読みどころ
向田作品の真骨頂は、日常会話の端々に感情の刃を忍ばせる筆致にある。表題が示す通り、外面は穏やかな女たちの内に潜む阿修羅を、大げさな事件ではなく食卓や台所の場面で浮かび上がらせる。テレビドラマとして生まれ、その後も繰り返し映像化されてきた物語であり、昭和の家族の風景を描きながら、姉妹や夫婦の機微は今読んでも古びていない。
こんな人に
家族の水面下の感情を描く物語が好きな人、向田邦子の名前は知っているが未読という人に向く。映像化作品から原点に触れたい読者にも良い入口になる。