作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は高瀬隼子。価格1699円、2023年10月10日配信。文藝春秋刊で、表題作のほか短編「明日、ここは静か」を併録しています。
どんな作品か
ゲームセンターで働きながら、別のペンネームで書いた小説が文学賞を受け、作家としても活動する主人公を描いた物語です。兼業で書いていることが職場に知られ、周囲の接し方が少しずつ変わっていきます。書くことと日常のあいだで、境目が揺らいでいく感覚が丁寧にすくい取られます。
読みどころ
創作と現実、公の顔と私の顔のあいだで揺れる主人公の心理が、静かな緊張感とともに描かれます。芥川賞作家である著者が、書くという行為そのものに潜む居心地の悪さを鋭く見つめます。日常の細部から立ちのぼる違和感の描写が印象に残ります。
こんな人に
書くことや働くことの機微を描いた現代小説、心理描写の巧みな文芸作品が好きな方に。