作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 雫井脩介- 価格: 693円- 配信日: 2017-03-10
どんな作品か
『犯人に告ぐ』などで知られる雫井脩介による司法ミステリーである。物語は、老夫婦が殺害された事件の捜査で、ベテラン検事の最上と、彼を慕う若手検事の沖野がコンビを組むところから動き出す。容疑者の中に、かつて時効を迎えたある事件の関係者の名を見つけたとき、最上の中で正義の天秤が傾き始める。師弟である二人の検事が、それぞれの信じる正義をめぐって対立していく姿を描く。
読みどころ
本作の核心は、犯人捜しよりも「正義とは何か」という問いにある。法で裁けなかった罪を前に、検察官が一線を越えることは許されるのか。立場と信念のぶつかり合いが法廷ものの枠を超えた人間ドラマとして描かれ、読む側も簡単に答えを出せないまま引き込まれていく。木村拓哉と二宮和也の共演で映画化されたことでも知られる作品である。
こんな人に
社会派の重厚なミステリーを好む読者、正義や司法の矛盾を扱う物語に関心がある人に向く。映画から原作へ遡りたい人にも良い機会となる文庫版だ。