作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は奥田英朗。799円・2016年10月17日配信。文庫版は上下巻に分かれた長編の群像劇です。
どんな作品か
市町村合併で生まれた地方都市「ゆめの市」を舞台に、接点のない複数の人物それぞれの日常が並行して語られます。市役所で生活保護を担当する職員、東京に出たい女子高生、新興宗教にのめり込む女性など、行き場のなさを抱えた人々が登場します。ばらばらに進んでいた生活は、やがて少しずつ交差していきます。
読みどころ
どの人物にも「どうにもならない」現実がのしかかり、タイトルの二文字が重く響いてきます。地方都市の閉塞感や人間関係の息苦しさが、具体的な生活の細部から立ち上がってくる構成です。複数の視点を切り替えながら読ませる語りの巧さが際立ちます。
こんな人に
社会の歪みを描く群像劇が好きな人、重い読後感でも読み応えを求める人に。