作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は山本文緒。価格529円、2016年10月17日配信。第124回直木賞受賞作。
どんな作品か
日常の中で少しずつ立ち止まってしまった人々を描く短編集です。表題作は、病を経て働く意欲を失った女性が、宙ぶらりんな時間の中で自分と向き合っていく姿を描きます。仕事や恋愛、家族といった身近な足場が揺らいだとき、人はどう毎日をやり過ごすのか——そんな心の温度を繊細にとらえた作品が並びます。
読みどころ
前向きになれない登場人物の心情を、責めることも美化することもなく描き切る筆致が山本文緒の真骨頂です。誰の中にもある怠さや後ろめたさを言葉にしてくれる感覚があり、読むほどに登場人物が他人に思えなくなります。等身大の弱さを肯定してくれる短編集です。
こんな人に
心にひっかかる大人の短編を読みたい方、直木賞受賞作をたどりたい方におすすめです。