作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: 司馬遼太郎 / 価格: 880円 / 配信日: 2016-10-17
どんな作品か
司馬遼太郎が幕末期に実在した志士や暗殺者たちを題材に書いた短編集である。動乱の時代を生きた人物それぞれの信条や行動原理に焦点を当て、一つの事件や暗殺の背後にある人間模様を描き出す構成になっている。歴史小説でありながら、大きな時代の流れよりも個々の人物の心理描写に重きを置いているのが特徴である。各短編は独立した物語として読めるため、まとまった時間が取れない読者にも向いている構成である。
読みどころ
教科書的な幕末史とは違い、歴史の陰に隠れがちな人物たちの視点から時代を捉え直す点が読みどころである。司馬遼太郎らしい乾いた筆致と、史実を踏まえた考証の確かさに加え、一編ごとに異なる人物の視点へ切り替わる短編集ならではのテンポの良さも味わえる。登場人物の生死や運命そのものよりも、彼らが何を信じて行動したかに筆が割かれている点も本作らしさと言える。
こんな人に
幕末という時代そのものに関心がある人、坂本龍馬や新選組など著名な人物以外の視点から幕末を知りたい人、短編集ならではの読みやすさを求める人に向く一冊である。