作品データ
DMMブックスの小説(恋愛)。著者吉田修一、価格540円・2016-10-17配信。著者の初期作品を収めた一冊で、表題作は文学賞を受賞したデビュー作。
どんな作品か
表題作「最後の息子」は、若い男とある人物との共同生活を軸に、都会で漂うように生きる人々の関係を描く。定まらない距離感や寄る辺なさを、乾いた筆致で映し出す。ほかにも初期の短編を収め、後に多彩な作風で知られる著者の出発点が味わえる。
読みどころ
のちにさまざまなジャンルを手がける著者が、みずみずしい感覚で人間関係の機微を切り取った原点的な作品。登場人物たちの曖昧で繊細な心のありようを、押しつけずに描く筆致が印象的。デビュー当時の空気感がそのまま残っている。
こんな人に
吉田修一の原点に触れたい方、都会に生きる若者たちの関係を描いた初期作を読みたい方におすすめです。