作品データ
DMMブックスの小説(恋愛)。著者は直木賞作家の角田光代。価格590円、2016年10月17日配信。文春文庫。
どんな作品か
東京・中央線沿線の街を舞台に、妊娠や結婚、恋人や夫との関係など、人生の岐路に立つ女性たちの心の揺れを描いた短編集。主人公はおもに40歳前後の女性たち。かつてのようなドラマチックな出来事もなく、昨日と同じような日々に味気なさを感じながら生きる姿が、静かな筆致で綴られる。
読みどころ
「コドモマチ」「ワカレマチ」など、各編のタイトルには「街」と「待ち」の二つの意味が掛けられている。派手な事件は起きないが、日常のなかにひそむ女性の本音を鋭くすくい取る角田光代らしい一冊。共感とほろ苦さの入り混じる読後感が残る。
こんな人に
等身大の女性を描いた短編集が好きな人、日常の機微を丁寧に描く小説を求める人に。