作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者はピエール・ルメートル、訳は吉田恒雄。784円・2016年10月17日配信。『その女アレックス』で日本でも広く読まれたフランスの作家による長編サスペンスです。
どんな作品か
主人公のソフィーは、身の回りで起こる不可解な出来事に少しずつ追い詰められていきます。失われた時間や説明のつかない物忘れが重なり、彼女は自分の記憶と正気を疑うようになります。読者もソフィーと同じだけの足場しか与えられないまま、逃げ場のない状況を一緒にたどっていく作りの物語です。
読みどころ
何が起きているのかを明かさないまま突き進む前半の緊張感と、そこから視野が切り替わっていく構成が本作の要です。ルメートルらしく細部の描写が後から意味を持ち始め、読み返したくなる仕掛けが仕込まれています。事前の情報を入れずに読み始めるほど効果の大きい一冊です。
こんな人に
仕掛けのあるサスペンスが好きな人、近年の海外ミステリを代表する書き手を試したい人に。