作品データ
DMMブックスの一般ノベル(日本文学)。著者は川上未映子。価格660円、2016年10月17日配信。
どんな作品か
第138回芥川賞を受賞した、川上未映子の代表作です。豊胸手術を受けようと大阪から上京してくる姉・巻子と、その娘で頑なに口をきかず筆談を続ける少女・緑子、そして二人を迎える「わたし」の三人が、数日間をともに過ごします。大阪弁の勢いあるリズムと、女性の身体をめぐるむき出しの感覚が全編を貫きます。
読みどころ
句読点を大胆に操る独特の文体と、話し言葉のうねりがそのまま文学になっていく筆致が最大の魅力です。母と娘、女であることや老いていく身体への戸惑いが、緑子の書き留める言葉を通して痛切に立ち上がります。短いながら濃密で、読み終えたあとに余韻の残る一作です。
こんな人に
言葉の力そのものを味わいたい方、女性の身体や母娘の関係を描いた文学に触れたい方におすすめです。