作品データ
DMMブックスの小説(ファンタジー)。著者は小川洋子。価格652円、2016年10月17日配信。
どんな作品か
体が大きくなることを望まなくなった少年が、盤上の世界に才能を見いだしていくチェスの物語です。小川洋子ならではの静謐で幻想的な筆致で、少年と、彼にチェスを教える人物との交流が描かれます。勝ち負けの記録ではなく、駒と駒のあいだに生まれる詩情そのものを掬い取ろうとする一冊です。
読みどころ
チェスという競技を題材にしながら、その描写はどこまでも繊細で美しく、盤上をひとつの海に見立てるような比喩の連なりが心に残ります。孤独をかかえた少年が、小さな世界の中で自分の居場所を静かに深めていく過程が丁寧に紡がれます。読後に穏やかな余韻を残す作品です。
こんな人に
小川洋子の透明な文章世界が好きな方、静かで詩的な物語に浸りたい方におすすめです。