作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者はよしもとばなな。540円・2016年10月17日配信。2008年に刊行された長編で、のちに文庫化されています。
どんな作品か
久しぶりに再会したいとこの昇一とともに、主人公の由美子が旅に出ます。目的は、「魔女」と呼ばれた母から自分にかけられたものを解くこと。両親の過去にまつわる思い出したくない記憶や、自分の成り立ちを揺るがす事実と、由美子は少しずつ向き合っていきます。
読みどころ
不穏な題材を扱いながら、文章は静かで、日々の食事や移動といった場面がていねいに描かれます。傷ついた人が、それでも美しいものを感じ取る力を手放さない——著者らしい視線が全編に通っています。救いを性急に用意せず、暗さのなかに小さな光を置くような結び方が印象に残ります。
こんな人に
よしもとばななの死生観が色濃く出た作品に触れたい人、静かで内省的な物語を読みたい人に。