作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は重松清。682円・2016年10月17日配信。文春文庫にも収められた短編集です。
どんな作品か
富士山を望む私鉄沿線の町を舞台に、暮らしに行き詰まった人たちを描く九つの短編を収めています。職を失った男、記事のネタに困った記者、子を亡くした夫婦、団地とともに年を重ねる母と娘。どこにでもある日常の隙間に、ほんの少しだけ不思議なものが混じり込みます。
読みどころ
つらさを抱えた人の傍らに、亡くなった人の気配がそっと差し込む構成で、怖さと温かさが同居しています。「フジミ荘奇譚」「よーそろ」など、家族や別れを軸にした一編ごとの余韻が長く残ります。市井の人の弱さを責めない語り口が、全編を静かに支えています。
こんな人に
家族小説や人情味のある短編が好きな人、少し不思議な味わいの物語を読みたい人に。