作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: 黒田夏子 / 価格: 942円 / 配信日: 2016-10-17
どんな作品か
芥川賞受賞時に最高齢受賞者として話題になった黒田夏子による小説で、ひらがなを多用し句読点や表記を独自の方法で扱う実験的な文体が特徴の作品である。ある女性の生涯を、時間軸を交錯させながら断片的に描き出しており、従来の小説の書き方とは大きく異なる形式で綴られている。登場人物の名前も一般名詞的な言い回しに置き換えられているなど、随所に独自の工夫が施されている。
読みどころ
一般的な小説の表記法から意図的に外れた独特の文体そのものが本作最大の読みどころであり、読み進めるうちに独自のリズムに引き込まれていく。固有名詞の扱い方や句読点の置き方まで含めて、著者が言葉そのものを見つめ直そうとする姿勢が伝わってくる作品でもある。読み慣れるまでに時間を要する分、読了後の余韻も独特である。
こんな人に
物語の筋以上に、文体そのものの実験性や日本語表現の可能性に関心がある読者に向いている。実験的な純文学に挑戦したい読者にもおすすめできる。