作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は上村裕香。1,540円・2025年4月16日配信。第21回「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した表題作を含む、著者のデビュー作品集です。
どんな作品か
難病を抱える母の世話をしながら高校に通う十七歳のさちを中心に、三つの短編が連なる作品集です。家族のケアを担う若い人の日々が、同情を誘う語り口を避けた文体で描かれます。表題作のほか「泣いてんじゃねえよ」「縋ってんじゃねえよ」を収録しています。
読みどころ
「かわいそうな子」として扱われることへの苛立ちが、そのままタイトルの強い言葉になっているところに本作の姿勢が表れています。周囲の善意や支援の手が当人にはどう届き、どこでずれるのか。わかりやすい救済の物語に落とし込まない書き方が、デビュー作とは思えない手応えを生んでいます。
こんな人に
家族と自立をめぐる現代の小説を読みたい人、新しい書き手のデビュー作に触れたい人に。