作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は夏目漱石。539円、2024年5月31日配信。新潮文庫版。
どんな作品か
画家である「余(わたし)」が俗世を離れ、温泉宿のある山里へ旅する物語です。「非人情」を掲げ、人の世のしがらみから距離を置いた芸術の境地を求める主人公が、宿で出会う謎めいた女性・那美をめぐって思索を深めていきます。冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される」の一節で名高い、漱石初期の名作です。
読みどころ
筋を追う小説というより、漢詩や俳句、絵画論をちりばめた美文と思索が主軸の「俳句的小説」。自然描写の美しさと、芸術とは何かを問う哲学的な語りが独特の読み心地を生みます。ゆったりとした文体に身を委ね、言葉の響きそのものを味わいたい一冊です。
こんな人に
漱石の文章美を堪能したい人、物語性より思索や情緒を楽しみたい人に。