作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は安部公房。649円・2024年3月7日配信。新潮文庫。
どんな作品か
SFラジオ番組の台本を書く男のもとに、自分は「火星人」だと名乗る奇妙な訪問者がやってくる。相手は本当に火星人なのか、それとも正気を失った人間なのか——問答を重ねるほどに、現実と妄想の境界がぐらぐらと揺らいでいく、対話劇のような長編。
読みどころ
訪問者との噛み合いそうで噛み合わない会話が、じわじわと読者の足元まで危うくしていく緊張感が魅力。「人間とは何か」「正常と異常の線引きはどこにあるのか」という問いを、ユーモアと不気味さを漂わせながら突きつけてくる。
こんな人に
知的なSFや不条理な設定の物語が好きな人、安部公房の世界に触れたい人に。