作品データ
DMMブックスの一般ノベル(日本文学)。著者は三浦しをん。新潮文庫版。価格693円、2022年7月29日配信。
どんな作品か
ある一人の男性をめぐり、彼と関わった複数の人物がそれぞれの立場から語っていく群像小説です。家族、恋人、教え子——立場の異なる語り手たちの視点を重ねることで、一人の人間の像が少しずつ、しかし決して一つには収まらない形で浮かび上がっていきます。
読みどころ
語り手が入れ替わるたびに、同じ人物への印象や記憶が食い違っていく構成が魅力です。人が他人をどれだけ「わかっている」つもりでも、見えているのは一面にすぎない——そんな人間関係の奥行きを、三浦しをんの繊細な筆致がすくい取ります。読み進めるほどに像が揺らぐ味わいがあります。
こんな人に
多視点で人物像が立ち上がる小説や、人間関係の機微を丁寧に描く物語を好む人におすすめです。