作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は坂口安吾、価格539円・2021-07-28配信。戦後文学を代表する無頼派作家の代表作を収めた新潮文庫版。
どんな作品か
1946年(昭和21年)に発表された、坂口安吾の代表的な短編。戦時下の荒廃した町を舞台に、混沌と虚無のなかを生きる主人公と、言葉を持たない女との関わりを通じて、極限状況における人間の生の姿を見つめる。安吾の名を一躍高めた作品として文学史に残る一編だ。
読みどころ
戦争がもたらす破壊と、そこにかろうじて残る人間の本能や尊厳を、鋭くも乾いた筆致で描き出す。既成の道徳や体面を剥ぎ取った先に人間の本質を見ようとする姿勢は、同時期の評論「堕落論」にも通じる。短いながらも読む者に強烈な問いを突きつける、戦後文学の記念碑的作品。
こんな人に
日本の近代・戦後文学の古典に触れたい人、人間の本質を掘り下げる骨太な作品を読みたい人に。