作品データ
- 区分: 書籍(一般実用)- 著者: 佐野眞一- 価格: 935円- 配信日: 2021-07-27
どんな作品か
ノンフィクション作家・佐野眞一が、1997年に東京・渋谷で起きた東京電力の女性社員殺害事件を追った事件ノンフィクションである。エリートとして働く昼の顔と夜の顔を併せ持った被害者の人物像、そして逮捕されたネパール人男性をめぐる裁判の行方を、綿密な取材によって掘り下げていく。事件の背後にある社会の歪みまで射程に入れた、著者の代表作のひとつだ。
読みどころ
本書の核心は、センセーショナルに消費されがちな事件を、一人の人間の生の軌跡として描き直そうとする執念の取材にある。被害者が抱えていたものへの考察と、外国人被告の裁判に対する疑問の提示は、単なる事件ルポを超えて、司法と社会への問いかけとなっている。平成という時代の暗部を記録した社会派ノンフィクションとして、刊行から年月を経ても読み継がれている。
こんな人に
事件ノンフィクションや社会派ルポルタージュを読み込みたい人に向く。報道の見出しの先にある人間の実像を知りたい読者にとって、重いが読み応えのある一冊である。