作品データ
- 区分: 書籍- 著者: 半藤一利- 価格: 935円- 配信日: 2021-07-02
どんな作品か
『日本のいちばん長い日』『昭和史』で知られる歴史作家・半藤一利が、幕末から明治初期にかけての激動を語り下ろした歴史読み物である。黒船来航に始まる開国の混乱から、尊皇攘夷の嵐、大政奉還、戊辰戦争を経て新政府が形を成していくまでの流れを、講義のような親しみやすい語り口で一気に描き出す。教科書的な年表の羅列ではなく、人物たちの思惑と偶然が絡み合う「物語」として幕末を捉え直せるのが本書の持ち味だ。
読みどころ
著者は勝者である薩長の側から描かれがちな幕末史を、それだけではない視点も交えて眺め直す。勝てば官軍の歴史観に疑問を投げかけ、敗者や旧幕府側の人間にも光を当てるバランス感覚は、長く昭和史を追い続けた著者ならではである。複雑に入り組んだ幕末の政局が、話し言葉の柔らかさですっと頭に入ってくる構成も見事だ。
こんな人に
幕末の全体像を一冊でつかみたい人、大河ドラマや歴史小説の背景知識を固めたい人に最適である。歴史入門書としても再読用としても頼れる文庫だ。