作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は芦沢央。価格693円、2021年6月24日配信。新潮文庫。
どんな作品か
「神楽坂を舞台に怪談を書いてほしい」という依頼を受けた作家「私」が、実際に耳にした不可解な出来事を綴っていく——という設定で編まれた、怪談実話の趣を持つ連作ミステリです。日常の隙間に潜む薄気味悪さと、その背後にある人間の心理が、静かに絡み合っていきます。
読みどころ
怪異譚として読ませながら、そこに合理的な謎解きの要素を織り込む二重構造が読みどころです。語り手を著者自身に重ねたメタ的な仕掛けが、現実と虚構の境をあいまいにし、ぞくりとする読み味を生み出します。ミステリとしての切れ味と、ホラーの余韻を両立させた一冊です。
こんな人に
怪談風のミステリや、じわりと怖い連作短編、メタ的な仕掛けのある物語が好きな方におすすめです。