樽とタタン(新潮文庫)

『樽とタタン(新潮文庫)』は2020-09-01に配信された「樽とタタン」シリーズの第1巻です。価格は605円。

作り手
中島京子
シリーズ
樽とタタン
配信日
2020-09-01
価格
605円(2026年9月10日に観測)
レビュー
97件・評価3.32(DMM.comが集めた評価。2026年9月10日に観測)

作品データ

区分: 一般ノベル / 著者: 中島京子 / 価格: 605円 / 配信日: 2020-09-01

どんな作品か

直木賞候補にもなった中島京子による連作短編集で、両親が離婚し母親と暮らす少女カリンの視点から、風変わりな同居人「タタンさん」との日々が描かれる。血のつながりにこだわらない家族のかたちを、子どもの目線を通じて温かく綴った作品であり、収録された各話は同じ家族を少しずつ違う角度から映し出していく構成になっている。学校生活や近所の人々との関わりも織り交ぜながら、カリンの成長が緩やかに描かれていく。

読みどころ

深刻になりすぎない筆致で、家庭の事情を抱えた子どもの心の機微を丁寧にすくい上げている点が本作の特徴である。連作形式のため、一話ごとに視点や出来事の焦点が変わり、少しずつカリンとタタンさんの関係が積み重ねられていく展開も読みどころといえる。日常の細部を掬い取る著者らしい観察眼も随所に感じられ、悲観に傾きすぎない語り口が読後感を柔らかくしている。

こんな人に

定型的でない家族のあり方や、子ども視点の素直な語りを好む人におすすめできる。静かな連作短編を好む読者にも合う一冊である。

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