作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は朝井リョウ。価格825円、2019-12-20配信の新潮文庫版。直木賞受賞作『何者』と対をなす連作短編集です。
どんな作品か
就職活動をめぐる群像劇『何者』の世界を、視点を変えて描き直した短編集です。『何者』では脇に置かれていた登場人物たちの側から、それぞれの人生や思惑をすくい上げます。恋人、面接官、家族など、「見る側」と「見られる側」が入れ替わることで、人が他人に向ける視線のありようが浮かび上がります。
読みどころ
本作単体でも読めますが、『何者』を読んでいるとより深く楽しめる構成です。SNSや自己演出が当たり前になった時代に、人は誰かをどう値踏みし、どう見せようとするのか。朝井リョウらしい容赦のない観察眼が、日常のやりとりのなかに潜む本音をあぶり出します。短編ごとに異なる立場から光が当たるため、読後に印象が反転する感覚も味わえます。
こんな人に
『何者』を読んで余韻が残った人、人間関係の裏側を鋭く描く現代小説が好きな人におすすめです。