作品データ
DMMブックスの実用書(ルポ・エッセイ・自叙伝)。著者は梨木香歩。506円・2018年6月15日配信。2007年に刊行された八編のエッセイ集の、新潮文庫版です。
どんな作品か
身のまわりの出来事から書き起こし、そこから社会や歴史へと思考が伸びていくエッセイ集です。旅先で目の合った鳥のこと、心惹かれる沼地や湿原のこと、イギリスの断崖やトルコで出会った人々のことなどが綴られます。小説を書く人が日ごろ何を見て何を考えているのかが、そのまま伝わってくる一冊です。
読みどころ
「境界」という言葉が繰り返し現れ、自分と他者、内と外の線をどこに引くのかという問いが全編を通しています。個人の感覚から出発しながら、結論を急がずに考え続ける姿勢が保たれています。『西の魔女が死んだ』などの小説とは違う、著者の思考の筋道をたどれます。
こんな人に
静かに考えるエッセイを読みたい人、梨木香歩の小説の背景にある思索に触れたい人に。