作品データ
DMMブックスの一般ノベル(日本文学)。著者は宮本輝。価格572円、2017年4月13日配信。
どんな作品か
宮本輝の初期を代表する中編小説「泥の河」と「螢川」を収めた一冊です。戦後間もない大阪の川べりを舞台に、少年と、川に浮かぶ舟で暮らす子どもたちとのひと夏の交流を描いた「泥の河」。そして、富山を舞台に、少年の成長と、幻想的な螢の乱舞を描いた「螢川」。いずれも水辺の情景とともに、人の営みの哀しみと美しさを静かに映し出します。
読みどころ
貧しさや別れといった重いテーマを扱いながらも、少年の目線を通して描かれる情景が澄んだ叙情をたたえている点が読みどころです。とりわけ「螢川」の終盤に立ち現れる螢の場面は、日本文学屈指の名シーンとして名高く、深い余韻を残します。「泥の河」は太宰治賞、「螢川」は芥川賞を受けた作品です。
こんな人に
情感豊かな純文学を味わいたい方、宮本輝の原点に触れてみたい方におすすめです。