作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は井上靖、新潮文庫、737円・2017年4月13日配信。
どんな作品か
奈良時代、唐へと渡った日本の若い留学僧たちを描いた歴史小説。正しい戒律を日本に伝えるため、高僧・鑑真を招こうと奔走する僧たちの姿を軸に、幾度もの渡航の困難や歳月を越えた執念が描かれます。史実に取材しながら、大きな志のために海を渡り、人生を捧げた者たちの群像を静かに浮かび上がらせます。
読みどころ
ひとつの目的のために生涯を費やす人間の姿を、抑制のきいた端正な文章で描き出す井上文学の代表作。派手な劇的展開よりも、時の流れと信念の重みがじわりと胸に迫ります。歴史のなかに埋もれた無名の僧たちに光を当てるまなざしと、タイトルの「甍(いらか)」に託された余韻が味わい深い一冊です。
こんな人に
歴史小説や、静かで格調高い日本文学の名作を読みたい人に。