作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は井上靖。737円・2017年4月13日配信。『楼蘭』とあわせて毎日芸術賞を受賞し、1988年には映画化もされた歴史小説の代表作です。
どんな作品か
十一世紀の中国を舞台に、科挙に落第した青年・趙行徳が、ふとしたきっかけから西域へ向かう物語です。西夏という新興勢力が台頭する乾いた土地で、行徳は戦乱に巻き込まれながら長い歳月を重ねていきます。敦煌の莫高窟に大量の古文書が納められた経緯を、一人の男の生涯として描いた作品です。
読みどころ
砂と風の土地の描写が簡潔で、そのぶん人の運命の大きさが際立ちます。個人の意志ではどうにもならない歴史の流れに押されながら、それでも書物を守ろうとする行為へ物語が収れんしていきます。史実の空白を想像で埋めた構想の大きさが、読みごたえにつながっています。
こんな人に
中国史やシルクロードに関心がある人、骨太な歴史小説をじっくり読みたい人に。