作品データ
DMMブックスの小説(日本文学・歴史・時代劇・戦記)。著者は吉村昭。737円・2017年4月13日配信。1966年に発表された記録文学で、吉村昭の名を広く知らしめた代表作です。
どんな作品か
戦艦武蔵が長崎の造船所で極秘裡に建造され、進水し、やがて戦地で失われるまでを追った長編です。設計や資材の調達、機密保持のために町ぐるみで払われた負担、難航した進水作業に至るまで、関係者への取材と資料に基づいて順を追って記されていきます。巨艦をつくり動かした人々の側から、その一生が描かれます。
読みどころ
感情をほとんど交えずに事実を積み上げる文章でありながら、造船所や町を覆う緊張が確かに伝わってきます。とりわけ進水をめぐる技術的な難題の記述は具体的で、読み物として引き込まれます。巨大な計画に動員された無名の人々に光を当てる視点が、最後まで一貫しています。
こんな人に
記録文学やノンフィクションが好きな人、太平洋戦争を人と技術の側面から知りたい人に。