作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 隆慶一郎- 価格: 990円- 配信日: 2017-04-13
どんな作品か
関ヶ原の合戦の朝、徳川家康が刺客の刃に倒れていたとしたら――。本シリーズは、その後の家康を影武者・世良田二郎三郎が演じ続けたという大胆な仮説の上に築かれた歴史伝奇小説である。史実の年表を崩さぬまま、その隙間に壮大な虚構を流し込む構想力で知られる、隆慶一郎の代表作の一つだ。
読みどころ
影でありながら本物以上の器量を発揮していく二郎三郎という人物造形が最大の魅力である。天下人の座に据えられた替え玉が、権力の重さと自由への渇望のあいだで揺れながら乱世の後始末に向き合う。将軍職をめぐる緊張関係や、戦国の裏面でうごめく者たちの描写も濃密で、歴史・時代劇・戦記ジャンルの醍醐味が詰まっている。
こんな人に
定説どおりの家康像に飽きた歴史小説好きに勧めたい。「もしも」から歴史を読み替える伝奇的な物語や、スケールの大きな時代劇を求める読者にも向いた一冊である。