作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 井上靖- 価格: 693円- 配信日: 2017-04-13
どんな作品か
井上靖の自伝的要素が色濃い長編小説である。伊豆の山村で祖母と暮らす少年・鮎太が、多感な少年期から青年期、そして壮年へと成長していく歩みを、人生の節目ごとに切り取って描く。「明日は檜になろう」と願いながら檜にはなれない、あすなろの木。その姿に託された人間の憧れと限界が、作品全体を貫く主題となっている。
読みどころ
少年の目に映る大人たちの姿、淡い恋心、戦争をはさんだ時代の変転が、抑制の効いた端正な文章で綴られる。何者かになろうともがき続ける鮎太の姿は、時代が変わっても色あせない普遍性を持つ。連作的な構成のため一章ごとに区切りよく読める点も、この作品の読みやすさにつながっている。
こんな人に
日本文学の名作をこれから読みたい人、成長小説や自伝的小説が好きな人に向く。人生の折々に読み返したくなる種類の本であり、学生にも社会人にもそれぞれの読み方ができる一冊である。