作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は重松清。価格880円、2017年4月13日配信。
どんな作品か
言葉がうまく出てこない中学の非常勤教師・村内先生を軸にした連作短編集です。担任として担う華やかな仕事ではなく、傷ついたり孤立したりした生徒のそばに立つ役目を、村内先生は静かに引き受けていきます。いじめ、転校、家庭の事情など、学校で子どもたちが抱える痛みを一話ごとに丁寧にすくい上げていきます。
読みどころ
吃音のためうまく話せない村内先生が、それでも生徒に本当に届く言葉を探そうとする姿が胸に残ります。派手な解決ではなく、「ひとりにしない」という一点を貫く大人のまなざしが物語全体を支えています。多感な年代の心の機微を描く重松清らしい、静かで温かな一冊です。
こんな人に
学校や思春期を扱う物語が好きな方、人の心にそっと寄り添う短編を読みたい方におすすめです。