作品データ
DMMブックスの小説(ヒューマンドラマ)。著者は寺地はるな。1,870円、2024年11月6日配信。NHK出版刊。本屋大賞ノミネート経験を持つ人気作家の最新長編です。
どんな作品か
1996年の冬、中学卒業を控えた四人の生徒が、卒業制作のレリーフづくりで同じ班になります。進路に迷う美術部員、学校中の人気者、誰にでも優しい少年、周囲と距離を置く転校生。タイプの異なる四人が選んだモチーフは「雫(ティアドロップ)」でした。ここを起点に、約三十年の月日をめぐる想いとつながりが描かれます。
読みどころ
出会い、卒業、就職、結婚、親子、別れ――人生のさまざまな場面が、時間を行き来しながら丁寧に紡がれていきます。物から物へ、人から人へと受け継がれていくものを軸に、選択とその先の転機を静かに照らし出す構成が魅力です。人生のままならなさと、それでも続いていく「新たなはじまり」を見つめる筆致が印象に残ります。
こんな人に
時間や縁の巡りをテーマにした群像劇が好きな方、寺地はるなの繊細な人間描写に触れたい方におすすめです。