作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は佐藤究。1,870円・2023年10月19日配信。柴田錬三郎賞を受賞した、『テスカトリポカ』に続く長編です。
どんな作品か
空に魅入られた少年が自衛隊のパイロットとなり、戦闘機と重力の感覚に取り憑かれていく姿を描いた物語です。日本を離れたのちの日々も含め、主人公の人生が長い時間をかけて追われます。三島由紀夫を強く意識して書かれた作品としても語られており、構想には長い年月がかけられました。
読みどころ
飛行や機体の描写が細部まで書き込まれ、速度と重力の感覚が文章から立ち上がってきます。国家や生き死にをめぐる主題が物語の底に流れ続け、航空小説の枠には収まらない密度があります。読み手を選ぶ濃さはありますが、その分だけ強い読後感が残ります。
こんな人に
重量のある純文学寄りの長編を読みたい人、『テスカトリポカ』の作者の次作が気になっている人に。