作品データ
DMMブックスの小説(ファミリー)。著者は宇佐見りん。価格594円、2022年4月26日配信。
どんな作品か
19歳のうっちゃんが、心を病んでいく母「かか」との濃密で息苦しい関係を、独特の言葉づかいで語る物語です。母を思うがゆえに苦しみ、けれど離れることもできない娘の内面が、「かか弁」とも評される熱を帯びた一人称で綴られます。宇佐見りんのデビュー作であり、第56回文藝賞と第33回三島由紀夫賞を受賞しました。
読みどころ
語り手うっちゃんの声そのものが作品の核です。祈りにも似た切実な独白が、家族という逃れられない関係の重さと愛おしさを鮮烈に立ち上げます。やがてうっちゃんはある願いを胸に一人で旅に出ますが、その道行きが物語に静かな熱を通わせます。若さと痛みが同居する文体の強度を、ぜひ体感してみてください。
こんな人に
家族との距離に悩んだことのある方、強い一人称の語りに引き込まれたい方におすすめです。