作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は木皿泉。660円・2021年2月19日配信。テレビドラマの脚本で知られる木皿泉が、2018年に発表した長編です。
どんな作品か
四十三歳で亡くなったナスミという女性を軸に、その死のあとを生きる人々を描く連作長編です。家族やかつての同級生から、ほとんど通りすがりに近い関わりしかなかった人まで、章ごとに視点が移り変わっていきます。ナスミが残した言葉や振る舞いが、思いがけない相手の暮らしに波紋のように広がります。
読みどころ
悲しみを声高に語らず、食事や何気ない会話といった細部から人の輪郭を立ち上げる書き方が持ち味です。語り手が替わる構成のおかげで、一人の人間が他人のなかでどう生き続けるのかが自然に伝わってきます。会話の間合いには脚本家らしい呼吸があります。
こんな人に
死をめぐる静かな物語を読みたい人、連作形式の群像劇が好きな人に。