作品データ
区分: 一般実用 / 著者: 角幡唯介 / 価格: 550円 / 配信日: 2015-09-18
どんな作品か
チベットを流れるツアンポー川が刻む世界最大級の峡谷のうち、長く人跡未踏のまま残されていた区間、通称「空白の五マイル」への挑戦を描いたノンフィクションである。著者自身が単独で現地に赴き、地図にも記されていない渓谷の奥地を踏破しようとする過程が綴られている。先人たちの探検記録も踏まえながら、自らの体験を重ね合わせて構成されている。近代以降の探検史のなかでこの峡谷がどのように扱われてきたかという背景にも触れられている。
読みどころ
過酷な自然環境の描写と、探検という行為そのものへの著者の問いかけが並行して進んでいく点が特徴である。実際の踏査に基づく緊張感のある描写が随所に見られる。誰も踏み込めなかった空白地帯に挑むという行為の意味そのものを問い直す姿勢も貫かれている。
こんな人に
秘境探検や辺境紀行に関心がある人、実体験に基づく骨太なノンフィクションを読みたい人に向いている。地図の空白に挑む探検史そのものに興味がある人にも合う。