作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は神津凛子。880円・2021年6月15日配信。第13回小説現代長編新人賞を受賞したデビュー作で、2023年に齊藤工監督・窪田正孝主演で映画化されました。
どんな作品か
長野を舞台に、妻と幼い娘のために念願の一軒家を手に入れた男が主人公です。地下の設備で家じゅうが暖まる「まほうの家」での新生活は順調に始まりますが、小さな違和感が重なるにつれ、家族の日常は少しずつ形を変えていきます。誰もが憧れる持ち家という場所を、恐怖の舞台に置き換えた長編です。
読みどころ
間取りや暖房、隣人との距離といった生活の具体が、そのまま不安の材料になっていく組み立てが巧みです。語り口は平易で、日常の描写が続くぶん、ずれが生じたときの落差が効いてきます。読み終えたあとで前半の何気ない場面を思い返したくなる構成になっています。
こんな人に
家庭や住まいを舞台にしたサスペンスが好きな人、映画を観る前に原作を読んでおきたい人に。