作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は小川洋子。価格946円、2020年12月15日配信。海外でも高く評価された長編の新装版です。
どんな作品か
ある島では、ときおり何かが「消滅」し、それとともに島の人々の記憶からもその存在が失われていきます。消えたものへの記憶を保ち続ける人々と、それを取り締まる存在。そんな世界で暮らす小説家の女性を主人公に、静かに、しかし確かに削られていく日常と心のありようが描かれていきます。
読みどころ
喪失が少しずつ積み重なっていく独特の世界観が、抑制の効いた美しい文章で綴られます。記憶や存在とは何かという問いを、寓話のような物語のなかにそっと差し出す構成が印象的です。英訳版が国際的な文学賞の候補となるなど、海外でも注目を集めた一作です。
こんな人に
静謐で幻想的な文学世界に浸りたい人、記憶や喪失をテーマにした物語に惹かれる人におすすめです。