作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は多和田葉子。価格715円、2017年9月8日配信。近未来の日本を舞台にしたディストピア小説で、英訳版が全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞したことでも知られる。
どんな作品か
大きな災厄を経て鎖国状態となった日本。百歳を超えてなお健康な老人・義郎と、生まれつき体が弱くうまく歩くこともできない曾孫・無名。老人がいつまでも死ねず、子どもたちが老いていくような逆転した世界で、二人の日常が静かに描かれる。
読みどころ
言葉遊びや独特の言語感覚を織り込みながら、高齢化や環境をめぐる問題を寓話的に映し出す。厳しい設定ながら、義郎と無名の間に流れる穏やかな愛情が全体を包んでいる。多和田文学の想像力が凝縮された一冊。
こんな人に
ディストピア小説や、言葉の実験性を楽しめる文学作品が好きな読者に。