作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は島本理生。460円・2016年9月9日配信。野間文芸新人賞を受賞し、芥川賞候補にもなった初期の代表作です。
どんな作品か
高校を出て働きながら暮らす十代の女性が語り手です。母と、父親の違う幼い妹との三人の生活を中心に、家庭教師先の子どもや、柔道場で出会った年上の男性との関わりが淡々とつづられていきます。劇的な出来事に頼らず、日々のやりとりから人と人の距離を描いた小説です。
読みどころ
感情を強い言葉で説明せず、身体の感覚や生活の細部で伝えていく文章が持ち味です。家族のかたちを特別なものとして扱わない語りに、独特の落ち着きがあります。題名のとおり、少しずつしか進まない歩みを肯定するような読後感が残ります。
こんな人に
静かな一人称の物語が好きな人、家族と自立をめぐる小説を読みたい人におすすめです。