作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 貫井徳郎- 価格: 440円- 配信日: 2016-05-13
どんな作品か
『慟哭』などで知られる貫井徳郎による連作ミステリー短編集である。通常のミステリーは「犯人は誰か」を問うが、本書はその常識を裏返し、「被害者は誰なのか」といった一風変わった謎を読者に突きつける。推理作家が探偵役となり、持ち込まれた奇妙な謎を鮮やかに解きほぐしていく、遊び心に満ちた趣向の一冊だ。
読みどころ
謎の立て方そのものがひねられているため、読み慣れたミステリー読者ほど新鮮に楽しめる。手がかりはフェアに提示され、論理の積み上げで意外な真相へ着地する本格派の骨格はしっかり保たれている。短編ごとに異なる角度の謎が用意されており、一編ずつ気軽に読めるのに満足感は高い。シリアスな長編の多い著者の、軽妙な一面を味わえる点も面白い。
こんな人に
本格ミステリーの謎解きが好きな人、変化球の設定に惹かれる人に薦めたい。短編集なので隙間時間の読書にも向き、貫井作品の入門編としても手に取りやすい。