作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は近藤史恵。1,463円・2015年8月31日配信。『サクリファイス』などで知られる著者が、家族を題材に書いたミステリーです。
どんな作品か
第一子の出産を控えた主人公が、夫の海外赴任をきっかけに実家へ里帰りするところから始まります。ところが久しぶりに戻った家では両親と高校生の妹の間に会話がなく、父は建てたばかりの家を手放そうとしている。近所のうわさや周囲の反応から、留守のあいだに何かが起きたらしいと察しながらも、家族は誰もそれを語ろうとしません。
読みどころ
事件の派手さではなく、身内が口をつぐむことで生まれる息苦しさで読ませる構成です。題名が示す「命の重さは同じではないのか」という問いが、物語の底を静かに流れ続けます。近藤史恵らしい抑制の効いた文章で、人の心のもろい部分を照らし出します。
こんな人に
日常のなかの謎を追う心理ミステリーが好きな人、家族の物語として読めるミステリーを探している人に。